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薬原性錐体外路症状評価尺度
Drug Induced Extra-Pyramidal Symptons Scale(DIEPSS)

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日時 平成

薬原性錐体外路症状評価尺度
Drug Induced Extra-Pyramidal Symptons Scale(DIEPSS)

lこの評価尺度表は抗精神病薬の治療中に発症する薬原性錐体外路症状の重症度を評価するために作成されたものであり, 8つの個別評価項目と1つの総括評価項目からなりたっている。評価者は医学のトレーニングを積んでおり,神経学的症状評価についての十分な知識を持っていることが必要であり,かつ安定したデータが得られるようになるために本評価尺度表を使用するにあたっての十分な訓練を受けた者でなければならない。評価者は原則として被験者を直接診察することによって,診察中に観察される症状から被験者の評価にあたるが,病棟スタッフや家族からの情報も考慮に入れる。振戦,アカシジア,ジストニアなどの個別項目では,評価時に観察されない症状が夕薬服用後や就寝前のみに出現するといった,評価時以外の特定の時間帯に限局して出現すると訴える場合もあり,このような症例では被験者との問診や病棟スタッフや家族から得られる情報を考慮に入れて,その症状の重症度について注意深く評価すべきである。各研究プロトコールで定められた期間内(たとえば最近24時間以内,3日以内など)に観察される最も重篤な症状がその評価対象となる。以下の用語解説は特定の項目を評価するためのガイドラインを示したものである。
1。歩行 Gait 
被験者に普段その被験者が道を歩くときと同じように歩いてもらう。ここでは,歩行の遅さ,すなわち速度の低下,歩幅の減少,上肢の振れの減少の程度についての評価を行い,前屈姿勢,前方突進現象の程度も考慮すること。これらの重症度が一致しない場合には,観察された症状の中から,最も重篤な症状に重点を置いて評価すること。また,歩行の開始困難や終了困難の程度は動作緩慢の項目を評価する際にも考慮すること。
 
0=正常。
     
1 =上肢の振りがわずかに少なく,速度や歩幅もわずかに減少した歩行という印象。
     
2=歩行速度や歩幅の軽度減少,および上肢の振りの軽度低下。軽度の前屈姿勢が観察される場合もある。
    
3=上肢の振りがかなり減少した明らかに遅い歩行。典型的な前屈姿勢と小刻みな歩行。時に前方突進現象が認められる。
     
4=一人での歩行開始はほとんど不可能。いったん歩行が開始されても非常に小刻みな歩行で引きずるように歩き,上肢のふりは全く見られない。重度の前方突進現象がみられることがある。
2..動作緩慢 Bradykinesia
 動作が鈍くなったり,遅くなったりして,活動性が乏しくなること。動作の開始が遅延し,時には困難になる。顔面の表情の変化の乏しさの程度(仮面様顔貌),評価面接の際の話し方(単調で緩徐な話し方)についても評価すること。
 0=正常。
    
 1 =動作が緩慢であるという印象。
    
 2=軽度の動作緩慢。わずかに認められる動作の開始または終了の遅延。会話のテンポはやや緩徐で,顔面の表情も幾分乏しい。
    
 3 =中等度の動作緩慢。動作の開始または終了に明らかな困難を来す。会話のテンポは中等度に遅く,顔面の表情変化も中等度に 乏しい。
    
 4 =重度の動作緩慢,もしくは不動(アキネジア)。被験者はほとんど動かない,または移動の際に多大な
    努力を要する。顔面表情筋の動きはほとんど見られず(典型的な仮面様顔貌),会話のテンポも著しく 遅い。
3.流涎 Sialorrhea
唾液分泌過多の程度を評価すること。
0=正常。
    
1 =評価面接の際にみられるごく軽度の唾液分泌過多の印象。
    
2 =評価面接の際にみられる口内にたまる軽度の唾液分泌過多。ほとんど会話の障害にはならない。
    
3 =評価面接の際にみられる中等度の唾液分泌過多。このためしばしば会話に困難を伴う。
    
4=絶えず認められる重度の流温,または垂れ流しの状態。
4.筋強剛 Muscle Rigidity
上肢の屈伸に対する抵抗の程度を評価する。歯車現象、ろう屈現象や手首の曲がり具合も評価すること
0=なし。
    
1 =上肢の屈伸でごく軽度の抵抗を感じる程度。
    
2 =上肢の屈伸における軽度の抵抗。軽度の歯車現象が時に認められる。
    
3 =上肢の屈伸における中等度の抵抗。明らかな歯車現象のみられることがある。
    
4=上肢の屈伸に非常に強い力を要し,中断するとそのままの肢位を保つ(ろう屈現象)。重度の筋強剛の
     ためにしばしば上肢の屈伸が困難となることもある。   

     .
5.振戦 Tremor
 ロ部,手指,四肢,躯幹に認められる反復的,規則的で(4〜8 Hz), リズミカルな運動。客観的に観察される症状の出現頻度やその重症度に重点を置いて評価するが,そのために被験者の感じる苦痛や日常生活への影響の程度も考慮すること。
 0=なし。
     
 1 =非特異的で軽微な振戦。または断続的に認められる一部位に限局した軽度の振戦。
    
 2=一部位に限局した軽度の振戦が持続的に観察される。または複数の部位にまたがる軽度の振戦,あるい
     は一部位に限局した中等度の振戦が断続的に認められる。
     
 3=一部位に限局した中等度の振戦が持続的に観察される。または複数の部位にまたがる中等度の振戦,あ
     るいは一部位に限局した重度の振戦が断続的に認められる。
     
 4 =重度の全般性振戦,または全身の粗大振戦
     
6. アカシジア Akathisia
 アカシジアは静座不能に対する自覚,下肢のムズムズ感,ソワソワ感,絶えず動いていたいという衝動などの自覚的な内的不穏症状と,それに付随してみられる身体の揺り動かし,下肢の振り回し,足踏み,足の組み換え,ウロウロ歩きなどの客観的な運動充進症状から成る。その評価にあたっては自覚症状の程度を優先して評価し,運動充進症状は,主観症状を支持する所見として用いること。たとえば,アカシジアに特徴的な運動不穏の症状が顕著に認められても,内的不穏の自覚がない場合には0,非特異的ではっきりしない場合には1と評価する(仮性アカシジア)。アカシジアの評価に際しては,評価面接全体を通しての落ち着きのなさの有無も考慮に入れること。
 0=なし
     
 1 =非特異的で軽微な内的不穏感。
     
 2 =内的不穏に対する軽度の自覚はあるが,それは必ずしも苦痛の原因にはなっていない。アカシジアに特
     徴的な運動充進症状の観察されることがある。
     
 3=中等度の内的不穏。このため不快な症状や苦痛が認められる。主観的な内的不穏に基づく身体の揺り動
     かし,下肢の振り回し,足踏みなどの下肢の特徴的な運動不穏が観察される。
     
 4=重度の内的不穏があり,このため被験者はじっとしていることができず,絶えず下肢を動かしている。
     睡眠障害や不安感を伴うことがある明らかに苦痛な状態。被験者はそれらの症状の鎮静を強く望む。
     
7.ジストニア Dystonia
ジストニアは舌、頸部、四肢、躯幹などにみられる突発的な筋肉の捻転やつっぱり、痙縮あるいは持続的な異常ポジションで示されるような、筋緊張の異常な亢進によって引き起こされる症状の1群である。この症状に含まれるものには、舌の突出捻転、斜頚、後頚、牙関緊急、眼球上転、ピサ症候群などがある。ここでは筋緊張の亢進異常の程度を評価の対象とし、ジストニアで誘発される異常運動の程度はジスキネジアの項目で評価すること。客観的に観察される症状の出現頻度やその重症度に重点をおいて評価するが、ジストニアのために被験者が感じる苦痛や日常生活への影響も考慮すること。嚥下困難や舌の肥厚など付随する症状もこの項目を評価する際に考慮すること。
0=なし。
     
1 =軽微な筋肉のこわばり,捻転,異常ポジションがあるという印象。
     
2=軽度のジストニア。舌,頚部,四肢,躯幹にみられる軽度の捻転やつっぱり,痙縮,または軽度の眼球
     上転。被験者は必ずしも苦痛を感じていない。
     
3 =中等度のジストニア。中等度の捻転やつっぱり,痙縮,眼球上転。被験者はしばしばその症状に対する
     苦痛を訴える。迅速な治療が望まれる。
     
4=四肢や躯幹に認められる重度のジストニア。このため食事や歩行などの日常生活の活動に著しい支障
     を来す。可及的すみやかな治療の適応となる。
     
8. ジスキネジア Dyskinesia
運動の異常に更新した状態。顔面(顔面の表情筋)、口部(口唇と口周囲部)、舌、顎、上肢(腕、手首、手、指)、下肢(脚、膝、踵、脚趾)、躯幹(頸部、肩部、臀部)にみられる他覚的に無目的で不規則な不随意運動、舞踏病様運動は、評価対象となるが、振戦は含まれない。客観的に観察される異常不随意運動の出現頻度やその重症度に重点を置いて評価するが、異常不随意運動のために被験者の感じる苦痛や日常生活への影響の程度も考慮すること、誘発により発現する運動は自然に観察される運動よりも、ランクを下げて評価すること。
0=なし。
     
1 =非特異的で軽微な異常不随意運動が認められる。限局した軽度の異常不随意運動が断続的に認められる。
     
2 =限局した軽度の異常不随意運動が持続的に観察される。または複数の部位にまたがる軽度の異常不随
     意運動や限局した中等度以上の異常不随意運動が断続的に認められる。
     
3=限局した中等度の異常不随意運動が持続的に観察される。または複数の部位にまたがる中等度の異常
     不随意運動や限局した重度の異常不随意運動が断続的に認められる。
     
4 =重度の異常不随意運動が観察される。このため日常生活に支障を来す。
     
9.概括重症度 Overall severity
 個々の症状の重症度や出現頻度,それらの症状による苦痛の程度,日常生活への影響,さらにそれらの症状に対する処置の必要性などを考慮に入れて,錐体外路症状全体の概括重症度を評価すること。
0=なし。
     
1=ごく軽度。または疑わしい。
     
2 =軽度。日常生活にほとんど影響なし。必ずしも苦痛を感じない。
    
3 =中等度。日常生活にある程度の影響を及ぼす。しばしば苦痛を感じる。
     
4 =重度。日常生活に重大な影響を及ぼす。強く苦痛を感じる。
    
DIEPSSを使いこなす 改訂版 薬原性錐体外路症状の評価と診断 稲田俊也著 星和書店